拙者 何を隠そう海の男! ただし、昔は
若い頃、週末はヨットという生活だった。
土曜日は、琵琶湖でディンギーに乗り、日曜日は大阪湾でクルーザーに乗って遊んだ。
5月の連休や夏休みは仲間達とちょっとしたクルージングや数々の草レースによく出たものだ。
今は、年に1,2回ヨットに乗りに行く。
私のヨットの原点はシングルハンドのディンギーである。
関西でレンタルできるところは、琵琶湖では松原遊船、大阪では大阪北港、芦屋では兵庫県海洋体育館などがある。
現在、ディンギーもクルーザーも所有していないし、原点であるシングルハンドのディンギーに乗るので上記のようなレンタルを借りることにしている。
ここ3年くらいは芦屋の兵庫県海洋体育館でヤマハのシーホッパーというシングルハンドのディンギーを借りて乗っている。
シーホッパーは、国体でも使われているディンギーでドイツのレーザーというディンギーをモデルにヤマハが作った国産艇である。
レンタル艇なので、結構ボロイ、セイルに入れるバテンもなく、艤装も最低限になっているので、物足りないのだが仕方ない。
午前中の湾内はそこそこのブローが入っていたので、沖に出ることにした。 ちょうど運河のようなところを抜けていくと(広い)海に出る。
(広い)海に出るためにはクローズホールドでタックを繰り返して、風上に向かっていかなければならない。
この日も、35度を越すような気温だったが、海上を風上に向かっているので地上に比べるとずいぶんましである。
ときおり、強いブローが入る。
サイドデッキから尻を落としてハイクアウトの体勢になって艇のバランスをとるのである。
後ろから来た2艇のレーザーが、いとも簡単に抜き去っていった。
離されていくのも屈辱的なので、風のシフトやブローのタイミングを見ながらレースモードで追いかけたが、クローズホールドの中、バテンの無い風船のようなセイルでは、レース仕様のレーザーには追いつける訳がなかった。
それに、彼らは上手い!
ふと後ろを振り返ると連れが沈している。
ディンギーには沈がつきものである。
今日のような暑い日は沈も気持ちいい。 でも、芦屋の海はお世辞にもきれいとは言えないので私自身は沈したくないのである。
連れのほうは、無事、沈起こしが出来、やっと追いついてきた。
せっかく、強い風を期待して沖までやってきたのだが、風はどんどん弱くなっていった。
仕方ない、ちょうど、昼時にもなったので帰港することになった。
帰りは、行きと違い追い風で走るのだ。 ほとんど真後ろからの風である。 一般的に考えると真後ろの風はスピードが出るように思うが実際は全くスピードが出ないのである。 ちなみにヨットレースでは真後ろの風(デッドラン)では走らない。 それにしても、追い風は風を感じないから、とても暑い。
休憩時間が長かったので、昼からは湾内で楽しむことにした。
シーホッパーやレーザーの走りの醍醐味はプレーニングに尽きるんじゃないかと思っている。 強風下ではアビームからリーチングにかけてディンギーは海面を滑走するように走る。 普段は水をかき分けて進むヨットが突然滑走をはじめる。 今までと全く違う次元の走りである。飛び散る飛沫を全身に浴びながら疾走していく、まさに爽快なのだ。
あいにく、昼からも風は、勢いを見せてくれなかった。
たまにブローが入ってくるがプレーニングするまでは続かなかった。
少々欲求不満のヨット遊びだった。
2010年9月5日の出来事であった。
次回はいつになることやら?
では、シンク~ラ♪