思い切ったタイトルをつけたもんだ。
あれこれとタイトルを模索してたんだけど、自分自身の日記だから潔く直球勝負で「痔の手術のお話」とした。
日本人は「痔」を言葉に出すことをあまりしない。
といっても、外人がどうかというのは全く知らないが・・
先週の15日木曜日に「痔」のオペは実行された。
隠すわけでもないが、実は2回目の手術なのである。
一回目は、大阪北逓信病院で、ジオン注射による対処療法的な手術を日帰りで行った。
手術後、1年程は調子が良かったが最近急に悪化してきたので2回目の手術というわけである。
大阪北逓信病院には、斉藤先生という「痔」の権威がいらっしゃったが、今は、もういらっしゃらないそうだ。
大阪北逓信病院自体も閉院する情報もある。
ということもあって、自宅から比較的近い「はえうち診療所」という医院で手術することにした。
「痔」の手術はどこの病院でも可能だが、できれば専門医のほうがいい。
ここ「はえうち診療所」の生内先生も全国で数少ない専門医の一人であり、評判が高い医師である。
この日は、朝食抜きで10時に集合。
集合と言っても、私一人だけなんだが。
事務的なことを済ませ、手術着に着替えて14時まで病室で待機する。
相部屋と個室の選択ができるが、いびきで周りに迷惑をかけては申し訳ないので個室を選択した。
なんと謙虚な性格だと思っているのは実は自分だけで、周りからしてみれば、いたって当然のようである。
それほど、俺のいびきが破壊的だということなんだろう。
お待ちかね痔の手術のはじまりはじまり
スマホで動画を見たり、Kindleで小説や漫画を見ていると、4時間はあっという間に過ぎ、運命の時を迎えた。
手術のはじまりである。
「痔」の手術も二回目となるとベテランの域になるが、右腕にセットされた血圧計はきわめて冷静に、いつもより高い血圧値を表示していた。
生内先生が一声、看護師へ言った!
なんと・・・ 「ミュージックスタート!」
「ケツメイシ」がかかった!
『痔の手術に、ケツメイシか、やるな先生』と思った。
粋な計らいである。
「ケツメイシ」のおかげで血圧も下がってきた。
前回の手術はは、局所麻酔をして、ジオン注射をうったが、これが、痛くて痛くて・・・
まさに肛門が拷問状態であって・・・
『先生、もう許してください』
こんな感じだった。
今回は、脊椎麻酔(腰椎麻酔)を行う。
腰椎に注射。
うわさによれば、これが相当痛いらしい。
しかし、生内医師はとってもミラクルなことをやってくれる。
通常は、腰椎に一発で決めるらしい。
この方法は、激痛にプラス頭痛の後遺症のおまけまでついてくるという、グリコ顔負けの対処だけど、
生内医師のミラクル対処はここがちがう。
まず、皮膚麻酔注射をし、その注射針の中に、さらに特殊な腰椎注射用の針で注射をするといった高度な技をやってくれた。
ざっと説明していただいたが、間違ってるかも知れない。
おかげで、痛みは一般的な注射と変わらなかったし、頭痛にもならなかった。
ケツメイシの曲を聞きながら、麻酔が効くまで、座ったまましばし雑談をする。
麻酔液は髄液よりも比重が大きいので脊髄の下に降りていく。
だから、「痔」手術の麻酔には最適である。
「なるほど」
池上彰のように素人にもわかりやすく説明してくれた。
座ったままの雑談の意味もそこにあった。
「あっぱれ!」
うつ伏せになり、いよいよオペが開始される。
スプレーを吹くような音と薬品のような匂いがする。
お尻にスプレー消毒でもしているんだろうか?
うつ伏せなので、何をしているのかわからない。
かなりの時間がたったような気がする。
まだ、手術は始まらないのだろうか?
堪り兼ねて看護師さんに「手術はまだでしょうか?」と聞くと
「もうすぐ終わりますよ!」
何ということだろうか!
麻酔恐るべし!
痛みはおろか、触れられていることすら全く感じない。
今回のオペは、痔核の切除とジオン注射のいわばハイブリットオペである。
切除された痔核は、大きめの干し梅2つと小さめの干し梅1つのような感じであった。
もちろん、干し梅好きとはいえ、それを食べようとは思わないが。
『スプレーのような音と薬品のような匂いの正体は、電気メスでの切除だったのか!』
あとは、ジオン注射を打って、更に、患部に痛み止めの麻酔を打って、無事ハイブリッドオペは終わった。
病室から手術室へとベッドが運び込まれた。
手術台からは、ほぼ自力でベッドに移り、看護師さんにベッドを押されて病室へと戻った。
痔の手術無事終了!
脊椎麻酔(腰椎麻酔)は強力である。
足の指がほとんど動かない。
足首も横には動くが縦には全く動かない。
ちょうど、長時間正座をした時のシビレを1000倍くらいにした感じだ。
フットマッサージ器を足にはめてもらい、しばらくマッサージをしてもらう。
時間がたてば、元に戻るとは思っていても何となく不安である。
足の感覚は多少あるが、「わたしの息子」の感覚は全くない。
手で触ると手には感触はあるが、感覚が全くない。
『あんた誰?』
まるで、自分のものとは思えないくらいに感覚がない。
今、はさみで切られても気が付かないだろう。
「コー怖!」
それより、「オシッコもわからないのでは?」と不安に思った。
看護師さんに聞いてみると、麻酔が効いてる間はほとんどオシッコはでないそうなので、ひとまず安心した。
手術は全く痛くなかったが、麻酔が切れた後は相当痛いと先生に脅されていた。
麻酔が切れて早く自分の下半身が戻ってきてほしい。
お尻が痛いのは勘弁してほしい。
複雑な気持ちである。
翌日になり、下半身は完全に自分のもとに戻り、それほどお尻も痛くはなかった。
噂に聞く、痔の手術=痛い というのは、今回の手術には当てはまらず、めでたしめでたしである。
あれから今日で、一週間が経った
やはり、痛みはほとんどない。
術後から当てているアンネの取り扱いにも慣れてきた。
まだまだ、アンネは必要だけど、これを次に活かすことができないのが心残りである。
今回の手術で、感じたこと
手術が思っていたのとは全然違ったこと
麻酔を通じて下半身が不自由な方の大変さ
女性の生理中のうっとうしさ
こんなところだろうか、健康な男子に生まれてきて良かった。
早く元気な肛門になあれ♪ そして、快うん、開運!